ウイルス性胃腸炎とは

 

嘔吐とは、吐き気をもよおし、胃の中にある大部分の内容物を吐き出す行為をさします。一方、一歳未満の乳児によく見られる嘔吐は、生理的で、胃の中の少量の内容物の逆流です。下痢は、健康時の便と比較して、緩い便が頻繁に排泄される症状です。軽い症状の場合、軟便もしくは泥状便が認められ、重症になると、水様便が頻回に認められるようになります。下痢の回数が、症状の重症度の判断基準になります。緑便も、重度の下痢の兆候です。

 

主に注意したいのは、水分喪失が過剰になって起こる脱水で、口の中が乾く、泣いても涙が出ない、尿の減少(乳児なら8時間、幼児なら12時間尿意を催さない)、濃縮尿などの症状が見られます。ウイルス性胃腸炎の治療の主な目的は脱水を予防することです。

 

原因

嘔吐と下痢は一般に胃腸の粘膜のウイルス感染によって起こります。下痢はまた細菌や寄生虫によって引き起こされることもあります。時折、食物アレルギーやフルーツジュースを飲み過ぎたときも、下痢を引き起こすことがあります。子供の軟便が12回続いたた場合、食べ慣れない物が原因である可能性があります。2日以上続けて透明な水分以外を接種しなかった場合、飢餓便と言われる、水っぽい緑色の便がでることもあります。

 

ウイルス性胃腸炎の症状はどんな治療をしても、一般に数日から一週間続きます。すぐに健康時の便に戻ると思わないでください。軟便が一度認められても、下痢ではありません。軟便が数回続かなければ、子供の食事を変えないでください。

 

脱水

脱水になると、体の中に十分な水分量がなく、正常な機能が果たされなくなります。下痢や嘔吐の症状があったり、水分をとらないで長時間運動をした場合、水分喪失が亢進します。水分が十分に補給されないと、活気の低下や、衰弱、電解質のバランスのくずれを引き起こし、極度の脱水の場合には、死に至る場合があります。乳幼児は大人と比べて脱水になりやすいといえます。病気の子供は非常に衰弱していたり、胃が痛かったりして、水分を取りたがらないため、脱水になることがあります。

 

赤ちゃんの軽症の脱水の症状

*口の中がネバネバしたり、乾いている

*やや尿が減少する

*通常より喉が渇く

 

赤ちゃんの中等度の脱水の症状


*無気力になる

*眼窩部の陥没

*尿量が減少もしくはほとんど出ない

*体重減少

 

深刻な脱水は命に関わる場合もあります。以下の症状が見られたら、すぐにかかりつけ医に電話をしてください。病院で点滴をする必要があるかもしれません。

 

*活動性が著しく低下している

*起こすのが難しいほど、子供が良く寝ている

*ぐったりとしていて、弱まっている

*あなたを認識してしないようにみえる

 

どう治療をすればいいのか?

積極的に水分を取るようにすすめてください。原因に関わらず、脱水症状が見られるのなら、水分不足を改善するために、十分な水分接種をすることです。子供に水分を与える方法は脱水を引き起こしている原因により異なります。例えば、嘔吐や下痢の症状が見られる場合の水分補給と、スポーツによって起きた脱水症状の水分補給で、量と種類は異なります。

 

6ヶ月未満の乳児の病気による軽度の脱水

水分を取るようにすすめますが、無理に飲まさないでください。母乳を与えていない場合は、電解質の入った透明な飲料水Pedialyte(もしくはAdriaril,GES45など薬局で入手可能)を4時間与えてください。この治療法は水分補給のためなので、記載してあるように、12日継続してはいけません。母乳を与えていて、通常より排尿が少ない場合、最初の624時間、授乳の合間に電解質の入った飲料水を与えてください。

 

嘔吐している場合は、一度にたくさん飲ませるのではなく、頻繁に母乳もしくは電解質の入った飲料水を与えてください。乳幼児には、5分毎に小さじもしくは大さじ1ぱいの飲料水を、4歳以上であれば、510分毎に3060mlを与えます。4時間以嘔吐がなければ、一時間毎に与える量を2倍に増やします。この治療法に関わらず、嘔吐が続くようであれば、30分間完全に胃を休ませてから、もっと少量から開始してください。少量ずつの頻回の補給は有効です。

嘔吐も下痢もおさまったら、母乳もしくは電解質の入った飲料水と同時に、月齢に適した食物を与えることができます。

 

ほとんどの病気の場合、ミルクで育てている乳児には、電解質の入った飲料水を与えた4時間後から、通常の濃さの調整ミルクを与え始めます。下痢が4.5日間続いたのであれば、7日間、ヨーグルト以外の乳製品を控えた方が良いでしょう。(乳糖の入っていない


Diagralは、問題ありません。)長期の下痢の場合には、甘い飲み物や脂肪分の多い食物も避けるのが賢明です。

 

下痢の症状だけが見られる場合は、固形物の食事を与え続けてください。食べ物の選択は重要になります。消化がよいのは炭水化物で、このような食物の例としてシリアル(特に米から出来たシリアル)やパン、クラッカー、米、麺類やマッシュポテト、人参、アップルソースやバナナがあります。プレッツェルや塩味クラッカーは、必要な塩分の補給に役立ちます。赤身の肉やパスタ、果物もおすすめです。

 

6ヶ月以上の乳児の病気による軽度の脱水

水分を取るようにすすめますが、無理に飲まさないでください。一番吸収されやすいジュースは、マスカットと洋梨のジュースになります。りんごジュースは消化が困難な上に、下痢を増加させます。だし汁や薄めたスポーツドリンク、アイスキャンディーも許容選択肢です。

嘔吐している場合、一度に大量の水分をとるのではなく、頻繁に少量の水分をとる必要があります。上記の水分が合わなかったり、脱水を進むようであれば、上記の電解質の入った飲み物を与え始めます。その数時間後に、エネルギー源(糖分)と栄養分のある食物や水分を与え始めます。下痢の症状だけが見られる場合は、上記を参考にしてください。

 

食事療法

年齢に関係なく、嘔吐しなくなってから8時間後に、徐々に通常の食事を再開することができます。子供は、塩味クラッカーや白いパン、小さな星の形をしたパスタが入った刺激のないチキンスープ、米やマッシュポテトから、幼児は、シリアルやつぶしたバナナなどからを食べ始めることができます。調整ミルクのみを飲む乳児には、通常より3060ml少なめに与えます。一般に、嘔吐から回復して24時間以内に、通常の食事をすることが出来るようになります。

 

薬について

子供のウイルス性胃腸炎に関する米国と欧州のガイドラインで、重篤な副作用のある腸管運動抑制剤(lopermide,motilium)の使用が禁止されています。最近の2つの薬剤であるracécadortril(Tiorfan) smectite(Smecta)が使用されていますが、両方のガイドラインはいくつかの研究に基づき、racécadortrilは子供に与えるためには、もっと安全性確認試験が必要であると警告しています。フランスで主に使用されているsmectiteは、米国のガイドラインでは、使用に対応していません。欧州のガイドラインは考慮に値するものの、臨床試験が限定されていて、もっと治験をする必要性があると述べています。

乳酸菌などのプロバイオティクスは、ヨーグルトの中に自然に含まれていて、多くの研究で、半日ほど下痢の期間を短縮することが示されました。フランスではDANONEBIO ACTIVIAが一番おすすめです。また粉末タイプのLactéoleUltralevureも入手可能です。


避けた方がいい思い込み

*透明な飲料水を、48時間より長く与え続けると、カロリー不足になるのでやめましょう。体力を取り戻すのに、通常の栄養のバランスのとれた食べ物を必要としています。

 

*煮詰めたミルクなど凝縮した飲み物や、リンゴジュースやコーラなど砂糖が多く入っている飲み物を飲まないようにしましょう。

 

*一般的な間違いは、量を徐々に増やすのではなく、好きなだけ水分を与えてしまうことです。ほとんどの場合、嘔吐を長引きかせることになります。

 

*一番危険なのは、昔から言い伝えられているように、胃腸を休ませることがいいと信じ込むことです。

 

嘔吐や下痢に効果的で安全な薬はありません。水分補給と食事療法が一番効く対症療法です。

 

予防

下痢は非常に伝染しやすいものです。おむつを取り替えたあとや、トイレに行った後は必ず手を洗いましょう。残りの家族の伝染防止に極めて不可欠なことです。

 

下痢によるおむつかぶれ

下痢をしているとき、肛門の周りは炎症を起こしやすくなります。排泄の後は肛門の周りを洗い、ワセリンか亜鉛の入った軟膏をたっぷりと塗り、保護します。特に、夜寝るときやお昼寝の際には保護することが必要です。おむつが汚れたら、すぐに取り替えると良いでしょう。症状が悪化した場合は、かかりつけ医に相談してください。

 

すぐに医者に連絡を要する場合

*脱水が見られるとき(8時間以上尿が出ない、口の中が非常に乾いている、涙が出ない)*血便が出たとき

*酷い下痢のとき(8時間以内に8回以上下痢がある)

*子供の具合がとても悪そうなとき

 

診療時間内に連絡を要する場合

*下痢に粘液や膿が混ざっているとき

2週間以上軽い下痢が継続しているとき

 

 

 

ウイルス性胃腸炎とは

 

嘔吐とは、吐き気をもよおし、胃の中にある大部分の内容物を吐き出す行為をさします。一方、一歳未満の乳児によく見られる嘔吐は、生理的で、胃の中の少量の内容物の逆流です。下痢は、健康時の便と比較して、緩い便が頻繁に排泄される症状です。軽い症状の場合、軟便もしくは泥状便が認められ、重症になると、水様便が頻回に認められるようになります。下痢の回数が、症状の重症度の判断基準になります。緑便も、重度の下痢の兆候です。

 

主に注意したいのは、水分喪失が過剰になって起こる脱水で、口の中が乾く、泣いても涙が出ない、尿の減少(乳児なら8時間、幼児なら12時間尿意を催さない)、濃縮尿などの症状が見られます。ウイルス性胃腸炎の治療の主な目的は脱水を予防することです。

 

原因

嘔吐と下痢は一般に胃腸の粘膜のウイルス感染によって起こります。下痢はまた細菌や寄生虫によって引き起こされることもあります。時折、食物アレルギーやフルーツジュースを飲み過ぎたときも、下痢を引き起こすことがあります。子供の軟便が1、2回続いたた場合、食べ慣れない物が原因である可能性があります。2日以上続けて透明な水分以外を接種しなかった場合、飢餓便と言われる、水っぽい緑色の便がでることもあります。

 

ウイルス性胃腸炎の症状はどんな治療をしても、一般に数日から一週間続きます。すぐに健康時の便に戻ると思わないでください。※軟便が一度認められても、下痢ではありません。軟便が数回続かなければ、子供の食事を変えないでください。

 

脱水

脱水になると、体の中に十分な水分量がなく、正常な機能が果たされなくなります。下痢や嘔吐の症状があったり、水分をとらないで長時間運動をした場合、水分喪失が亢進します。水分が十分に補給されないと、活気の低下や、衰弱、電解質のバランスのくずれを引き起こし、極度の脱水の場合には、死に至る場合があります。乳幼児は大人と比べて脱水になりやすいといえます。病気の子供は非常に衰弱していたり、胃が痛かったりして、水分を取りたがらないため、脱水になることがあります。

 

赤ちゃんの軽症の脱水の症状

*口の中がネバネバしたり、乾いている

*やや尿が減少する

*通常より喉が渇く

 

赤ちゃんの中等度の脱水の症状

*無気力になる

*眼窩部の陥没

*尿量が減少もしくはほとんど出ない

*体重減少

 

深刻な脱水は命に関わる場合もあります。以下の症状が見られたら、すぐにかかりつけ医に電話をしてください。病院で点滴をする必要があるかもしれません。

 

*活動性が著しく低下している

*起こすのが難しいほど、子供が良く寝ている

*ぐったりとしていて、弱まっている

*あなたを認識してしないようにみえる

 

どう治療をすればいいのか?

積極的に水分を取るようにすすめてください。原因に関わらず、脱水症状が見られるのなら、水分不足を改善するために、十分な水分接種をすることです。子供に水分を与える方法は脱水を引き起こしている原因により異なります。 例えば、嘔吐や下痢の症状が見られる場合の水分補給と、スポーツによって起きた脱水症状の水分補給で、量と種類は異なります。

 

6ヶ月未満の乳児の病気による軽度の脱水

水分を取るようにすすめますが、無理に飲まさないでください。母乳を与えていない場合は、電解質の入った透明な飲料水Pedialyte(もしくはAdriaril,GES45など薬局で入手可能)を4時間与えてください。この治療法は水分補給のためなので、記載してあるように、1〜2日継続してはいけません。母乳を与えていて、通常より排尿が少ない場合、最初の6〜24時間、授乳の合間に電解質の入った飲料水を与えてください。

 

嘔吐している場合は、一度にたくさん飲ませるのではなく、頻繁に母乳もしくは電解質の入った飲料水を与えてください。乳幼児には、5分毎に小さじもしくは大さじ1ぱいの飲料水を、4歳以上であれば、5〜10分毎に30〜60mlを与えます。4時間以嘔吐がなければ、一時間毎に与える量を2倍に増やします。この治療法に関わらず、嘔吐が続くようであれば、30分間完全に胃を休ませてから、もっと少量から開始してください。少量ずつの頻回の補給は有効です。

嘔吐も下痢もおさまったら、母乳もしくは電解質の入った飲料水と同時に、月齢に適した食物を与えることができます。

 

ほとんどの病気の場合、ミルクで育てている乳児には、電解質の入った飲料水を与えた4時間後から、通常の濃さの調整ミルクを与え始めます。下痢が4.5日間続いたのであれば、7日間、ヨーグルト以外の乳製品を控えた方が良いでしょう。(乳糖の入っていない

Diagralは、問題ありません。)長期の下痢の場合には、甘い飲み物や脂肪分の多い食物も避けるのが賢明です。

 

下痢の症状だけが見られる場合は、固形物の食事を与え続けてください。食べ物の選択は重要になります。消化がよいのは炭水化物で、このような食物の例としてシリアル(特に米から出来たシリアル)やパン、クラッカー、米、麺類やマッシュポテト、人参、アップルソースやバナナがあります。プレッツェルや塩味クラッカーは、必要な塩分の補給に役立ちます。赤身の肉やパスタ、果物もおすすめです。

 

6ヶ月以上の乳児の病気による軽度の脱水

水分を取るようにすすめますが、無理に飲まさないでください。一番吸収されやすいジュースは、マスカットと洋梨のジュースになります。りんごジュースは消化が困難な上に、下痢を増加させます。だし汁や薄めたスポーツドリンク、アイスキャンディーも許容選択肢です。

嘔吐している場合、一度に大量の水分をとるのではなく、頻繁に少量の水分をとる必要があります。上記の水分が合わなかったり、脱水を進むようであれば、上記の電解質の入った飲み物を与え始めます。その数時間後に、エネルギー源(糖分)と栄養分のある食物や水分を与え始めます。下痢の症状だけが見られる場合は、上記を参考にしてください。

 

食事療法

年齢に関係なく、嘔吐しなくなってから8時間後に、徐々に通常の食事を再開することができます。子供は、塩味クラッカーや白いパン、小さな星の形をしたパスタが入った刺激のないチキンスープ、米やマッシュポテトから、幼児は、シリアルやつぶしたバナナなどからを食べ始めることができます。調整ミルクのみを飲む乳児には、通常より30〜60ml少なめに与えます。一般に、嘔吐から回復して24時間以内に、通常の食事をすることが出来るようになります。

 

薬について

子供のウイルス性胃腸炎に関する米国と欧州のガイドラインで、重篤な副作用のある腸管運動抑制剤(lopermide,motilium)の使用が禁止されています。最近の2つの薬剤であるracécadortril(Tiorfan) やsmectite(Smecta)が使用されていますが、両方のガイドラインはいくつかの研究に基づき、racécadortrilは子供に与えるためには、もっと安全性確認試験が必要であると警告しています。フランスで主に使用されているsmectiteは、米国のガイドラインでは、使用に対応していません。欧州のガイドラインは考慮に値するものの、臨床試験が限定されていて、もっと治験をする必要性があると述べています。

乳酸菌などの”プロバイオティクス”は、ヨーグルトの中に自然に含まれていて、多くの研究で、半日ほど下痢の期間を短縮することが示されました。フランスではDANONEのBIO ACTIVIAが一番おすすめです。また粉末タイプのLactéoleやUltralevureも入手可能です。

 

避けた方がいい思い込み

*透明な飲料水を、4〜8時間より長く与え続けると、カロリー不足になるのでやめましょう。体力を取り戻すのに、通常の栄養のバランスのとれた食べ物を必要としています。

 

*煮詰めたミルクなど凝縮した飲み物や、リンゴジュースやコーラなど砂糖が多く入っている飲み物を飲まないようにしましょう。

 

*一般的な間違いは、量を徐々に増やすのではなく、好きなだけ水分を与えてしまうことです。ほとんどの場合、嘔吐を長引きかせることになります。

 

*一番危険なのは、昔から言い伝えられているように、胃腸を休ませることがいいと信じ込むことです。

 

嘔吐や下痢に効果的で安全な薬はありません。水分補給と食事療法が一番効く対症療法です。

 

予防

下痢は非常に伝染しやすいものです。おむつを取り替えたあとや、トイレに行った後は必ず手を洗いましょう。 残りの家族の伝染防止に極めて不可欠なことです。

 

下痢によるおむつかぶれ

下痢をしているとき、肛門の周りは炎症を起こしやすくなります。排泄の後は肛門の周りを洗い、ワセリンか亜鉛の入った軟膏をたっぷりと塗り、保護します。特に、夜寝るときやお昼寝の際には保護することが必要です。おむつが汚れたら、すぐに取り替えると良いでしょう。症状が悪化した場合は、かかりつけ医に相談してください。

 

すぐに医者に連絡を要する場合

*脱水が見られるとき(8時間以上尿が出ない、口の中が非常に乾いている、涙が出ない)*血便が出たとき

*酷い下痢のとき(8時間以内に8回以上下痢がある)

*子供の具合がとても悪そうなとき

 

診療時間内に連絡を要する場合

*下痢に粘液や膿が混ざっているとき

*2週間以上軽い下痢が継続しているとき